2014年5月1日木曜日

鈴鹿選手権シリーズ第3戦 レースレポート

鈴鹿選手権シリーズの第3戦は4月27日に開催された。ハラダカートクラブからは総勢19名のドライバーが参戦。

初開催となるカデットオープンクラスには伊藤琢磨(FA-KART)が参戦。練習中からトップのドライバーから1秒近く離される苦しい状況の中、公式予選では9位となる。続く予選ヒートでは持ち前の強さでスタートからポジションアップ。相変わらずラップタイムに伸び悩んでいるものの、3つポジションを上げ6位フィニッシュ。決勝での挽回に期待する。
その決勝に向け、シャーシなど調整を施し迎えたファイナル。スタートで予選同様ポジションを上げ4位に浮上。さらに1台をパスし3位になる。トップ2台はバトルをしながら後続を引き離していったが、伊藤のペースはかなり改善し、4位以下を引き離す。トップ2台がバトルでタイムを落とす中、伊藤はついに2台のテールトゥノーズまで浮上。3台が互いに牽制、オーバーテイクを繰り返しながら終盤、一瞬の隙を突き伊藤がトップに浮上。そのままファイナルラップへ。伊藤はトップをキープ。しかし、後方のドライバーも伊藤の隙を伺う。最終コーナー、インを締める伊藤。しかし、そのインを2位のドライバーが突っ込む。伊藤はとっさにアウトからかぶせるが接触。伊藤は失速し、再び動き出したものの10位フィニッシュとなった。

CellOPENクラスには中西智紀(FA-KART)が参戦。中西は公式予選から好調で、8台中4位のポジションを獲得する。続く予選ヒートでは5位にドロップするものの、ラップタイムは2位以下のドライバーとそん色なく、入賞に向けていい感触を持っている。決勝ヒートでは4番手争いを展開。トップ3台は逃げてしまったが、直前の4位のドライバーは昨年のランキング2位の選手。付かず離れずで緊迫のレース展開。終盤は前方のドライバーには若干引き離されてしまったものの、5位のポジションは守りきりフィニッシュ。表彰式まで後一歩と迫った。

SFCクラスには5名のドライバーが参戦。公式予選では清水寿昭(FA-KART)がコースレコードまであと一歩のトップタイムをたたき出し予選のPPを獲得。前回優勝の岡本孝之(CRG)が3位となる。予選ヒートでは清水、岡本が1-2で周回を重ねる。その後方では藤松楽久(FA-KART)もトップグループに加わる。しかし、この予選では他のドライバーが速く、岡本・清水を相次いでパス。結果、清水は2位、岡本3位、藤松5位、野田卓司(FA-KART)が9位、序盤でコースアウトを喫した高瀬啓太(TONYKART)は10位となる。
決勝ではスタートで清水、岡本、藤松が好スタート。トップは清水がキープする。しかし、速さで一歩先行く他のドライバーは清水を序盤でパス。そのまま独走状態を築いていってしまう。清水は何らかのトラブルを抱えペースが上がらない。清水の後方では藤松が執拗に攻め立てる。中盤、清水はついにマシントラブルによりリタイヤ。違う場所であったが、野田もトラブルで戦列を離れる。清水のリタイヤ後は岡本が集団のトップに躍り出て2位をキープ。岡本の後方は藤松を含む4台のバトルを展開する。そしてファイナルラップ。岡本は2位をキープし、藤松が3位。最終コーナー、藤松のインに突っ込むドライバー、しかし、そのドライバーは体制を崩しスピン。藤松はそれに巻き込まれ6位にドロップしフィニッシュ。岡本は最低限のポジションを獲得したものの、藤松は痛いポジションでのレースとなった。高瀬はうまくペースが上がらず9位となった。

J-RMCクラスには岩田啓佑(FA-AKRT)が参戦。公式予選ではニュータイヤの効果をうまく発揮できず14位に沈んでしまう。シャーシセットを変更し、挑んだ予選ヒートではペースが上がりポジションを回復していく。しかし、レース中盤、アクシデントに巻き込まれコースアウト。すぐに復帰したものの、ポジションは大きく落としてしまった。
決勝ヒートのスタートポジションは18番手。ここからどれだけ追い上げれるか。スタートから積極的に攻める岩田はトップグループとそん色ないラップタイムでどんどん順位を上げていく。これまでであればバトル負けを喫することもあったが、この日の岩田は違い、確実に1台ずつパスしていく。16周の決勝ヒートはチェッカーが振られる。岩田は2戦連続のポイント獲得となる8位を獲得。惜しくも入賞とはならなかったが、ペースがよかったため、次戦以降は大きく期待が持てる。

YAMAHA SSクラスは59台の大量エントリーがあった。ランキング3位の広瀬光結(FA-KART)、辻元拓馬(KOSMIC)の両名はAグループで自己ベストのタイムをたたき出すが、全体的なラップが速く(コースレコードも更新)、それぞれ17位・19位という結果になった。予選ヒートでは広瀬・辻元はいったんポジションをドロップ。両名とも予選通過圏外まで順位を落とす。広瀬はここで持ち前のバトル強さを発揮し、ポジションを回復していく。ラップタイムも公式予選とほぼ同じくらいのものを記録し、なんとか15位フィニッシュで予選を通過した。辻元はマシンセットが路面にかみ合わずポジションを回復することができず22位となり、ディビジョン2行きとなった。
まずはディビジョン2の決勝。周回数は12周。9番手スタートの辻元はこの中での上位を狙って果敢に攻めの走りをする。しかし、シャーシのセットアップは機能せず、中盤から他のドライバーに比べてラップタイムで遅れをとってしまう。この状況ではドライバーは守ることしかできないのだが、鈴鹿では守りきれることは許されず、最終的に16位と非常に悔しい結果となってしまった。
フルグリッドの34台がスタートするSS決勝ヒート。広瀬はここでもスタートで出遅れてしまう。オープニングラップが終えるころには中盤の集団から若干遅れる形となった。序盤こそラップタイムが上がらなかったが、中盤に差し掛かるころには一気にペースアップし、次々とポジションを回復していく。この勢いはファイナルラップまで衰えることがなかったが、序盤の遅れが響き12位でフィニッシュ。ポイントまであと一歩というところで終わった。しかし、今回上位に入ったドライバーのほとんどはスポット参戦組で、ランキング的には少し守られることとなった。

30歳以上のSuperSSクラス。こちらも参加台数が多く28台。水谷圭児(FA-KART)はまずまずの公式予選で8位を獲得。一方松村元晃(FA-KART)は思うようなラップタイムが刻めず18位となる。予選ヒートは水谷は上位を狙っていたが、難しい路面コンディションに苦しみポジションを失ってしまう。松村も苦しんでレースを展開するが、ポジションは若干回復。最終的に水谷は15位までポジションを落としてフィニッシュ。松村は16位から決勝に挑む。
決勝ヒート。オープニングラップで水谷がアクシデントに巻き込まれ大きくドロップダウン。松村はまずまずのスタート切り、さらに変更したセットアップが機能しポジションを上げていく。レース中盤、水谷がスピンアウト。もう一度戦列に加わろうとエンジンを始動させようとするが、なかなかスタートできない。結局そこでレースを諦め、リタイヤとなった。松村は11~12位争いのさなか、アクシデントに巻き込まれ、こちらも大きくコースアウト。せっかくあげたポジションを失ってしまい、最終的に22位でのフィニッシュとなった。

PRD-Avantiクラスはハラダカートクラブから7名のドライバーが参戦。公式予選では葛西佑紀(CRG)が6番手、小田宗孝(TONYKART)が7番手、浅野秀彦(FA-KART)が10番手となった。予選ヒートは小田が堅実なレース運びで6位。浅野が続き7位。葛西は11位にドロップしてしまった。
決勝ヒート、小田はスタートからポジションを上げ5位でオープニングラップを終える。その後方では葛西徳昭(FA-KART)が一気にポジションを上げ、浅野の前でレースを展開。しかし、浅野は今回好調で葛西をパスするとそのままの勢いで前の集団を追っていく。小田は4位のドライバーに徐々に追いつき終盤にはテールトゥノーズまで迫る。その後方では浅野が追走する。ファイナルラップでも小田は決め手を欠き5位でフィニッシュ。オーバーテイクできなかったことは悔しいが2戦連続での入賞となった。6位は浅野が入り、久々の入賞。序盤健闘した葛西徳昭は9位でポイントを獲得。加藤雄祐(TONYKART)が10位。葛西佑紀はこの序盤の遅れが響き17位。初参戦であった柳秀治(TONYKART)・山本大輔’FA-KART)はそれぞれ20位、21位で完走を果たした。

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