2012年5月18日金曜日

WKC & APC 金曜日

CIK-FIA World Karting Championship(WKC)とAsia Pacific Championship(APC)は、5月18日にノンクオリファイングプラクティスの4回が行われた。

FA-KART RACING TEAMの佐伯新はWKC KF1クラスに出場する。1回目の走行、路面は昨晩に降った雨の影響でダーティーである。WKCの練習用タイヤは各自2SETと決められている。この1回目に新品を投入しなければならない。他の選手もこの路面状況では新品を使いたくない心境で、なかなかコースインしない。わずかにタイム計測を行った選手も、それほどいいタイムを刻めず、結局この1回目の走行をキャンセルすることとした。

2回目は路面も回復しコースイン。2台の異なったセットアップを施したマシンをフル活用し、ベストタイムは47.985で6番手。トップとは0.229秒差。拮抗するクラスでこのタイムは少し差がある。

3回目、ギア比などを見直しコースイン。しかし、エンジンの不調か路面状況の変化かなかなかタイムを縮められない。このままの走行はタイヤを消費するだけと判断し、すぐピットイン。マシンを乗り換え、再度コースインする。エンジンもこちらはスピードを見せ、ここではすぐにベストタイム48.689まで縮める。しかし、さらにエンジンパワーを引き出そうとしたところ、そのエンジンが焼きついてしまった。トップとの差は0.751。

今回のレースの路面は、想定した状況とかなり違った方向に進んでいると見たチームは、片方のシャーシでそれを確かめるとした。その4回目、少しその路面を理解することができた。しかし、エンジンにパワーが見せられず、タイムは48.857の14位に沈んだ。

エンジンを修理し、その日の夕方、地元のコースへエンジンの慣らしを慣行。そこでキャブレター、エンジンセットアップのテストを行い、いい結果が出た。明日に向けて上向いたと言えよう。

KFクラスに1年半ぶりに出場の藤松楽久はAPCのKF2に出場。事前のトレーニングを行い、体力的にも心配ないレベルまで身体を鍛え上げた。昨日のNQP1で新品で走行した藤松は、多くの選手に対してタイヤの磨耗が進んでいる。それを想定した走行となった。1回目の走行で昨日のベストを塗り替える49.187を記録。2回目からはさらにタイヤの磨耗が進み、なかなかタイムをあげられないが、今回最も速いであろう選手との差は、縮まりもせず広がりもせずまずまずのといった感じ。
4回目に2SET目の新品を投入。しかし、このアタックがトラフィックに引っかかり、49.292に終わる。それでもまともなスペースで走れれば48秒台が見えており、明日からのレースが期待できそう。

明日は土曜日。KF1は決勝の1回目と2回目が行われ、KF2は予選ヒートの2回目までが行われる。

CIKリザルト KF1 ⇒http://www.cikfia.com/competitions/cik-calendar/2012/suzuka/kf1/results.html
CIKリザルト KF2 ⇒http://www.cikfia.com/competitions/cik-calendar/2012/suzuka/kf2/results.html

2012年5月9日水曜日

CIK-FIA World Karting Championship その2

2012年5月17~20日に開催される「CIK-FIA World Karting Championship」と「CIK-FIA Asia Pacific Championship」のエントリーリストとタイムテーブルが発表されました。

CIK-FIA World Karting Championship KF1 エントリーリスト
http://www.cikfia.com/fileadmin/content/Export/2012/Suzuka/kf1_entry.pdf

CIK-FIA Asia Pacific Championship KF2 エントリーリスト
http://www.cikfia.com/fileadmin/content/Export/2012/Suzuka/kf2_entry.pdf

参戦ドライバーは予想通り豪華なメンバーとなった。

タイムテーブルは以下のようになる。
http://www.cikfia.com/fileadmin/content/Camps/Regulations/2012/Suzuka/KF1/2012_CIK-FIA_WKC_TIME_TABLE0324_V3.pdf

観戦する方のために少し解説をしましょう。

KF1クラス
土曜日
ウォームアップ(公式練習) 2グループ分け
クオリファイングプラクティス(公式予選) 2グループ分け 8分間

昨年までのレギュレーションならばこのまま決勝ヒートに進むのだが、今回はエントリー台数が38台のため、予選ヒートで決勝に進める34台を決める。

クオリファイングヒート(予選ヒート) 公式予選の結果によりA/B/Cの3グループに分けられる。
B X C 12周
A X C 12周
A X B 12周
…各グループはスターティンググリッドの1列と考える。B X Cならば、B組がイン側、C組がアウト側に並んでスタートしレースを行う。ドライバー1人あたり2回のクオリファイングヒートを行う。各ヒートの結果によりポイントが与えられる。1位は0点。2位は2点。以下順位がそのままポイントとなる。(失格やペナルティがあるとそれ以上のポイントを背負うこともある。)すべてのヒートが終了した後、ポイントの少ない上位28名がそのまま決勝に進む。29位以下はセカンドチャンスヒート(敗者復活戦)に進む。

セカンドチャンスヒート(敗者復活戦) 12周
…上位6名が決勝ヒートに進む。特に6位争いは死に物狂いな争いが展開される。

ファイナル1(決勝ヒート1) 20周
ファイナル2(決勝ヒート2) 20周
…ファイナル1はクオリファイングヒートの結果によりスターティンググリッドが配置される。ファイナル2はファイナル1の結果によりスターティンググリッドが配置される。各ファイナルヒートはそれぞれ上位3名が表彰式に迎えられる。

ここまでが土曜日である。ドライバーは6回、セカンドチャンスヒートに進んでしまったドライバーは7回出走することになり、体力、精神力が重要になる。また、ヒートの間隔も短いため、そのヒートにあわせたセットアップを迅速に行う必要があり、メカニックにも大きな技術力、正確性が求められる。

日曜日
さらに日曜日もこれと同じことを繰り返す。
土曜日に予選を通過できなかったドライバーももう一度挑戦することができる。

はっきりいって、これまでで類を見ないほど過酷なレースである。

最後にチャンピオンシップポイント。各ファイナルの上位15名に与えられる。25、20、16、13、11、10~1…になる。土曜日と日曜日の2回ずつ計4回のファイナルから上位でフィニッシュした3つを持ち点とできる。世界選手権のシリーズタイトルは鈴鹿とマカオのレースで決定される。

観戦は土曜日から、しかも朝からがお勧めできます。すべてではないが、世界のトップドライバーが出場する今回のレース。見所も多く、必ず楽しめるでしょう。

KF2は後日にします。

2012年5月4日金曜日

CIK-FIA World Karting Championship その1

2012年5月17~20日、鈴鹿サーキット南コースにて、レーシングカートの世界選手権、「CIK-FIA World Karting Championship」(以下WKC)が開催される。

今回のWKC、本来ならばヨーロッパ3戦と日本、そしてマカオの5戦のシリーズ選で行われる予定であった。しかし、今年から導入されるエンジンデリバリー制に反対して、多くのメーカーが不参加を表明。そのまま、エントリーが開始されたが、台数は集まらず、CIKでその対策の会議が頻繁に行われていた模様。その結果、ヨーロッパラウンドはキャンセルとなり、エンジンデリバリー制も見送られることとなった。

メーカーは日本とマカオは参戦を表明した。これは両国におけるマーケティングの意味もあるであろう。延長されたエントリーに不参加の態度をとっていたメーカー、ドライバーも参戦に動き始めた。

現在の情報によればKF1で40台弱のエントリーがある模様。TONYKART、KOSMIC、GENIKART(FA-KART)、CRG、LH、FormulaK、BIREL、INTREPIDなど多くのチームが参戦。

その中でも注目ドライバーはINTREPIDのM.フェルスタッペン。元F1ドライバーの息子で、今年のWSKシリーズKF2では圧倒的なスピードを誇る。そのフェルスタッペンの今年のライバルはCRGのF.ティエネ。2010年鈴鹿APCのチャンピオンは日本での2勝目を狙う。日本初お目見えのFurmulaKからは2010鈴鹿ワールドカップチャンピオンのY.デ・ブラバンダー。世界が驚愕するドライビングスタイルとスピードは必見。今年PCRに移籍した2006APC(FAクラス)チャンピオンのA.コズリンスキー。CRGはベテランD.フォレも参戦するとのこと。一方、TONYKART RT、KOSMIC DPからは若手のホープが参戦する。久しぶりにGENIKART(F.アロンソの元チーム)からも1名参戦する。もちろんシャーシはFA-KART。

対する日本人勢。FA-KART RACING TEAMからは2011APC&全日本KF2チャンピオン佐伯新。全日本選手権2戦を終え、ランキング3位につける。今年もかなりのレベルアップを果たしており、世界の強豪相手にどこまで戦えるか注目。チームも佐伯の上位入賞を目指しフルサポートする。
KOSMIC DPからは佐々木大樹。BIREL SPAから石井一也。TONYKART RTJから井上寛之。RK ROBOT RACINGから杉山貴英、久保凛太郎。日本人ドライバーが世界に挑戦できる唯一の機会である。

Asia Pacific Championshipも35~37台ほどのエントリーがあり、予選落ちが出る模様。FA-KART RTから藤松楽久が久しぶりに参戦する。1年間のブランクがあるものの、一昨年の最終戦で見せたスピードを取り戻せれば、上位入賞も夢ではないだろう。

また、最新情報があればここで紹介する。
※これらの情報は公式発表ではなく、あくまで推測によるものです。実際の内容と違う場合があります。正式なものはCIKの公式発表によります。

世界選手権併催 FP-Jr.チャレンジ

5月17~20日に開催されるCIK-FIA World Karting Championshipの併催で、ジュニアドライバーによる特別選、FP-Jr.チャレンジが今年も開催される。
ハラダカートクラブからは2名のドライバーがエントリー。全日本選手権FP-Jr.クラスに出場の稲寄速人(FA-KART)。開幕2戦を終えて、西地域のランキング4位につける中学3年生ドライバー。地元のSL中日本シリーズYAMAHA-SSクラスではランキングトップのスピードあるドライバー。昨年11月のFP-Jr.チャレンジでは決勝でトップを走行(最終的に押し出されスピン)。今回はそのときの雪辱を狙う。
先日の鈴鹿選手権で初の鈴鹿参戦を果たした広瀬光結(TONYKART)。2011年はSL中日本シリーズYAMAHAジュニアクラスランキング3位。まだカート初挑戦から2年と少し、強豪ぞろいのFP-Jr.へ果敢にチャンレジする。

また、FA-KARTユーザー古関風眞(ガレージスマイル&レーヴRT)と西村拓真(P-SPEED)が参戦し、FA-KART勢は3名。KF1&KF2を含めると9名のFA-KARTドライバーが優勝を目指す。

鈴鹿選手権シリーズ第3戦 レポート

鈴鹿選手権シリーズ第3戦は4月29日、快晴の暖かい気温の中で開催された。

YAMAHA-SSクラスは鈴鹿初出場の広瀬光結(TONYKART)が参戦。コースレコードも飛び出したハイレベルな公式予選は19位。KTならではの多くのバトルを展開した広瀬。予選17位、決勝15位とすべて完走を果たした。広瀬は次回、世界選手権併催のFP-Jr.チャレンジに参戦する。そのためのいい練習になったであろう。

SUZUKA-Mastersクラスは開幕戦で2位に入った飯山知一(INTREPID)が参戦。優勝を目指したい飯山であったが、公式予選、予選ヒート共に3位で終わる。トップの選手とはじりじりと離される展開であった。そのため決勝を集中しスタートで2位に浮上。しかし、またしてもトップの選手に少しずつ離されてしまう。そしてレース中盤、アクシデントで後退。ポイント圏外でのフィニッシュとなってしまい、痛いノーポイントとなってしまった。

RMCクラスは今回、唯一予選落ちのあるレースになった。公式予選Aグループに出走した中西智紀(FA-KART)は19位であったが、予選ヒートはポジションを上げ14位フィニッシュ。予選通過を果たした。Bグループの酒井翔大朗(FA-KART)も公式予選は20位と出遅れる。その予選ヒートでは14位まで上がったところもあったが、最終的に16位でセカンドチャンスヒート行きとなった。そのセカンドチャンスヒートはスタートから無難にまとめ、2位フィニッシュ。予選を通過した。決勝はスタート直後の1コーナーでアクシデント発生。これに中西、酒井共に巻き込まれる。酒井はシャーシを破損しリタイヤ。中西はキャブレタートラブルを起こしていたが、なんとか走りきり、29位で完走した。

YAMAHA SuperSSクラスは水谷圭児(FA-KART)が出場。公式予選を5位で終えると、続く予選ヒートではアクシデントに巻き込まれる。大幅に順位を落としてしまうものの、少し挽回し14位。その14位スタートからの決勝は見事な追い上げを見せる。レース中盤には7位にポジションアップ。トップグループがバトルを繰り返すうちに7台におよぶトップ争いに発展。一触即発の戦いの中、水谷は一瞬の隙を突き5位にジャンプアップ。さらなる上位を目指したが、ここでチェッカー。開幕戦に続く5位入賞を果たした。

じわじわ人気が上がり、ついにエントリー台数30台に達したPRD Avantiクラス。ハラダカートクラブからは8名が出場。公式予選で最上位だったのは川北浩之(FA-KART)。開幕戦2位だった加藤雄祐(TONYKART)はエンジン不調により、まさかの24位と出遅れた。予選ヒート、なかなか上位に食い込めないHKC勢であったが、その中でも川北が10位でフィニッシュを果たす。しかし、川北はレース終了後の車検で重量失格となり、最後尾グリッドになってしまった。代わっての最上位は11位の武内広明(FA-KART)。数年ぶりに参戦した葛西徳昭(FA-KART)が13位、平野達矢(FA-KART)が14位。加藤は調子戻らず20位。Avanti2戦目の辻野弘之(FA-KART)が21位、葛西佑紀(CRG)が22位、吉武具史はコースアウトもあり24位となった。決勝ヒート。初のポイント獲得を目指す武内は10位を走行。自己ベストを更新し周回したが、最後にオーバーテイクされ惜しくも11位となった。加藤はこの決勝でも速さを見せることが出来ず、18位とノーポイントとなってしまった。

次回、鈴鹿選手権シリーズ第4戦は7月8日に開催される。